大学での学び方

理系科目

数学

TIP 01

知らない記号や用語をチェックする

大学数学では、見慣れない記号や独特な「言葉づかい」が出てきます。実際には理解できる内容でも、その記号や言葉の意味が分からないと、全体が理解できなくなってしまいます。知らない記号や言い回しは、教科書で調べたり、教員や友人に質問したりするなどして、正確に理解しておきましょう。
TIP 02

簡単な例を考える

定理は抽象的・一般的な形で述べられることが多いです。良く知っている関数や集合を定理に当てはめてみることで、その定理の意味の概略をつかんでみましょう。
TIP 03

既有知識と結びつけながら理解する

定理の意味をより深く理解するために、新たに学ぶ内容を、自分がすでに知っている知識と結びつけて理解してみましょう。
TIP 04

定理の主張が自然/必然だと理解する

定理の意味がつかめたら、その定理が構築された経緯、つまり「何がやりたくて、そう考えるに至ったのか?」を考えてみましょう。それが見えてくると、定理を自分自身の道具として使いこなせるようになります。
TIP 05

できる限り、視覚化して納得する

定理の意味がつかめてきたら、頭の中のイメージを紙の上に書き出し、グラフや図で表してみましょう。そうすることで、その定理の自然さ・必然性がより実感できます。
ただし、高度に抽象化された内容などは正確に視覚化できないことも多いです。そのため、あくまでイメージに留め、視覚化したものを論理的根拠にしないよう注意しましょう。
TIP 06

具体的な計算方法を整理する

大学における数学においては、しばしば定義を見ただけでは具体的な計算が難しいことがあります。そのため、定義や定理を理解することと並行して、具体的な計算をするためには、何をすればいいのかを自分なりにまとめることが重要です。

数学科目の横断的つながり

物理

TIP 01

イメージ(現象)と共に学ぶ

物理の学習目標は「自然現象を普遍的に説明できるようになること」です。よって、ただ数式を追うだけでなく、自然現象として何が起こっているかを想像することが重要です。
内容が抽象的でイメージできない時は、高校物理で学んだ具体例に当てはめてみましょう。また、問題設定や計算結果を図式化したり、インターネット等でわかりやすい画像や動画を探したりしてみることも助けになります。
TIP 02

数学は大切

大学物理では、抽象化のためのツールとして数学を多用します。物理の学習でつまずいている人の中には、実は数学の内容でつまずいているという場合も多くあります。そこで、まずは物理数学を「使える」状態にしておくことが大切。綿密な証明よりも、まずは数式のイメージを視覚的につかむことが肝心です。
TIP 03

自分で手を動かして計算すべし

授業中や教科書に出てきた計算は、実際に自分の手で計算してみましょう。説明を聞いたり読んだりして「分かったつもり」になったとしても、実際に自分で計算してみると、理解できていないことに気づくものです。計算することで物理的なイメージが鮮明化することもあります。具体的な方法として、次の2つを紹介します!

①「極端な場合」を考えてみる

数式や記号の意味を考えたり、現象をイメージしようとしても、難しい時は多々あります。そのような時は「無限大(∞)にしたらどうだろうか?」「0にしたら?」など、極端な場合を思考実験してみましょう。

②「次元解析」が大切

求めた答えの単位が正しいか、意識する癖をつけましょう。意外かもしれませんが、次元(単位)を常に意識することで、物理の理解度に大きな差が出ます。次元はその物理量について様々な情報を与えてくれます。計算ミスのチェックにも役立ちます。

物理科目の横断的つながり

化学

TIP 01

【量子化学】いったん飲み込んで先に進もう!

大学化学で多くの1年生が戸惑うのが、「化学って、物理だったの?!」というところ。量子化学は、「量子力学」が基盤となっていますが、「量子力学」は感覚とかけ離れた面があり、なかなか「腑に落ちた」感覚を得ることが難しいのです。
実際、量子化学は、すべての化学の土台となっており、いまは完全に理解できないと感じて不安に思っても、学修が進んでいくにつれて、様々な分野が量子化学とつながっていき、理解できるようになります。いったんは「そういうもの」と認めて、先に進んでみましょう。
TIP 02

【熱化学】演習量が肝、問題を解いて慣れよう!

熱化学では、パターンが無数に存在します。「この場合はこれ」と単純には理解できるものではないため、多くの演習問題をこなすことが、大変なようで実は最も近道かもしれません。個々の問題が示す条件でどの理論が応用できるかを見極められるようになりましょう。
TIP 03

【有機化学】最低限の知識が不可欠

有機化学では、膨大な数の化合物が登場します。まずは、化合物の命名法・判別法や官能基の名前などの基本知識を身につけましょう。
数式を直接扱わない分、分子や原子の「性質」をもとに、定性的に考えることが大切。とはいえ、分子構造を頭の中でイメージするのは簡単ではありません。そのような時は、分子模型や専用のソフトウェアを利用し、実際の構造の変化を見てみると効果的です。

化学科目の横断的つながり

アカデミック・ライティング

論証型レポート

TIP 01

レポートの構成

すべてのレポートは、基本的に三部構成を意識します。

  • 【序論(Introduction)】そのレポートで取り上げる「主題」の内容とその背景、その「主題」について検討・考察する学術的・社会的な意義や目的について記述します。
  • 【本論(Body)】「主題」に対して、書き手であるあなたの「意見・主張」の内容と、その「根拠」を説明します。「根拠」を示す際には、適切に引用することが大切です。
  • 【結論(Conclusion)】本論でどのような根拠に基づいて、どのような結論を導いたのかを、簡潔に要約しつつ、まとめます。この「結論」では、「序論」で示した「主題」の内容とそれについて検討・考察する目的に対応した内容であることが求められます。
TIP 02

適切なタイトルや見出しを付けよう!

レポートのタイトルの付け方を工夫しましょう。レポートのタイトルは、読み手がタイトルを見ただけで論文の内容を大まかに掴めるように、簡潔かつ具体的に示すものにします。

タイトルの悪例 タイトルの好例
授業の課題レポート
学習支援について
ライティング教育の国際比較
留学経験とリーダーシップの関連について
日本の大学における学習支援の現状と課題
大学における初年次ライティング教育の日米比較

レポートの章・節のタイトルについても同様です。レポートを適切に三部構成にすることは必要ですが、それぞれに見出しとして「序論」「本論」「結論」と書くのは望ましくありません。それぞれの章・節には、適切な見出しを付けましょう。ただし、授業で課される短いレポート(800~1,200文字程度)では、必ずしも章立てをしなくてもよいかもしれません。ただし、読み手が理解しやすいよう、論理的な構成を心がけましょう。

TIP 03

「事実」・「解釈」・「意見」を区別しよう!

「事実」とは、文字通り、客観的な情報やデータを指します。その「事実」に基づいて、それを評価したものを、ここでは「解釈」とします。そして、「事実」や「解釈」に依拠しながら、あなたの考えを表現したものが「意見」です。

「事実」「解釈」「意見」の例

【事実】今週のSLAサポートの利用者合計は28名であった。先週の利用者数と比較すると、12名増加した。
【解釈】今週のSLAサポートの利用者はいつもより多かった。
【意見】今週SLAサポートの利用者が増加したのは、期末試験の時期が近づいているからに違いない。

「推論」を行う際には、これらを明確に区別しなければなりません。「推論」とは、前提となる情報に基づいて何らかの推測を行うことです(例;朝、外出したら道路が濡れている→夜のあいだに雨が降ったに違いない)。そのため、レポートにおいても、それが「事実」なのか、それとも書き手であるあなたの「解釈」や「意見」なのかを意識的に区別し、書き方に注意を払う必要があります。
また、根拠のないこと、根拠を示せないことを「事実」であるかのように書いてしまってはいけません。書きたい内容が確からしい情報である場合は、適切な情報源を具体的に提示する必要があります。その際には、引用(引用であることを明記し、元の文献が何であるか記載)しなければなりません。引用元を示さない書き写しは「盗用(剽窃)」となり、不正行為として厳しく処罰される可能性もあります。

※レポートの書き方の詳細は、『東北大学レポート指南書』を参照してください。

実験レポート

TIP 01

レポートの構成

実験レポートは、次のような構成となっています。

  • 【目的】何を知るためにその実験をするのかを記述します。
  • 【実験の原理】実験を行なう上でその前提となっている自然現象についての原理・理論、測定法や装置の作動原理などをまとめます。
  • 【実験の方法(材料と方法)】具体的な実験の手順とその条件について記述します。
  • 【結果】実験結果を客観的に報告します。つまり、どういう操作によってどんなことが起きたのか、何を測定したらどんな値が得られたのか、実験操作との関連をはっきりさせながら、得られた結果を記述します。
  • 【考察】実験の結果得られたデータを適切に解釈し、そこから導かれる結論が初めに提示した仮説を裏付けているか、実験計画は妥当であったかを検証して、掲げた実験の目的を達成しているかどうかを評価します。
  • 【結論】今回の実験からどのようなことが明らかとなったかをまとめます。目的・行った実験と対応した内容であることが望ましいです。(一方、「楽しかった」や「今後は〇〇を頑張ります」など、感想や意気込みは不要です。)
TIP 02

実験の精度と誤差について検討しよう!

実験レポートでは、データを分析して、実験の精度や誤差について検討することが考察の大きな要素となります。実験では、理論通りの値が得られることはまずありません。装置や実験方法などによって、必ず誤差が生じるからです。誤差の範囲で、そこから導くことのできる結論の範囲が変わってきます。学生実験の場合には証明すべき「仮説」の範囲がはっきりしているため、それに見合った精度のデータが得られたかどうかを考えることになります。
理論値と異なる結果が出たからといって「実験が失敗した」と捉えるのは、実験における精度や誤差のことを理解していないことになります。
TIP 03

「事実」と「推論」を切り分け、「引用」は明記する

客観的に明らかな事実と、それらをもとに行う推論は、明確に区別しなければなりません。そのために実験レポートにおいても、両者を明確に書き分ける必要があります。
また、行った実験では検証できないようなことを事実であるかのように書いてしまってはいけません。その「行った実験では検証できないこと」の内容が、教科書や参考書に書かれていたものである場合、適切に引用(引用であることを明記し、元の文献が何であるか記載)しなければなりません。引用元を示さない書き写しは「盗用(剽窃)」となり、不正行為として厳しく処罰される可能性もあります。

※実験レポートの書き方の詳細は、『自然科学総合実験』を参照してください。

外国語学習

TIP 01

「継続」が命!

「そんなの当たり前」と思っている人も多いはず。そう、分かっていても難しいのが「継続」です。外国語会話の上達を目指すなら、学習方法をいろいろと工夫することも大事ですが、何よりも「どうすれば継続的に学習ができるのか」を考え、自分に合った学習習慣を見つけることが大切です。
TIP 02

間違えてもいいから、話してみよう!

長年にわたって慣れた「試験勉強」の影響で、「間違ってはいけない」と刷り込まれてしまっている人も多いのかもしれません。間違えないために、「頭の中で、まずは母語で考えてから、文法的に正確に、単語を間違えないように吟味して、翻訳する」という人も多いようです。しかし、実際の会話では、いくらか文法的に間違えても、ネイティブのように複雑な表現を使って流暢に話せなくても、たいして問題ではありません。「伝えたい」想いと、基本的な文法・単語さえ使えれば、意外と言いたいことは伝わるもの。間違うことを恐れず、どんどん「言葉にする」「話してみる」ことこそ、上達の近道です!
TIP 03

具体的な目標を持とう!

具体的な目標のある人は、外国語学習に対するモチベーションを維持し、学習活動を継続しやすく、結果として上達が早くなります。目標は、「〇年生になったら留学する」「試験でスコア〇点を取る」だったり、あるいは「友達と外国語(英語/日本語)でもっと話せるようになる」「外国語で学会発表できるようになる」などでも良いかもしれません。「いつの日か、話せるようになりたい」ではなく、具体的な時期や期限を設定するのが良いでしょう。