学びのヒント by SLA

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2020/05/15 コラム

数学を学ぶ工学部生におすすめの本

こんにちは、SLA数学部会の佐藤です。
今回は工学部に所属する私から、数学を学習するにあたってのおすすめの問題集を紹介したいと思います!

私は同じ「シリーズ」で本を揃えたい人なので、基本的にナンバリングのあるものを単体購入することはしません。
そのため、シリーズものの問題集を買うときには、「どの分野も分かりやすいこと」を重視します。
ただ、同じシリーズでも巻ごとに著者が違うものがほとんどで、分野によって分かりやすさ、
論証の進め方がまちまちになってしまいがちです。
そこで今回は私から、「シリーズもので、かつ、どの分野も分かりやすい」、そんな問題集を1つ紹介したいと思います。

私がおすすめするのは、「新版 演習数学ライブラリ」シリーズ(サイエンス社)です。
https://www.saiensu.co.jp/search/?book_class_id=1&library_id=249
こちらは「1. 線形代数」「2. 微分積分」「3. 微分方程式」「4. ベクトル解析」の4冊からなるシリーズなのですが、
いずれも寺田文行先生が執筆されています。
このシリーズはその名の通り「参考書」ではなく「演習書」なので、
問題を解く上で必要な語句知識・定理やその説明などは一通り載っていますし、
ただ説明だけを連ねるというのではなく、問題を解きながら逐一理解を促していくという方針です。
そのため、この本単体でも、十分に自主学習に使うことができます。

またこのシリーズは、どの巻もかなりの問題数を誇っていますが、良問が多く解説も明瞭で分かりやすいです。
各演習問題には対応する例題が1つ掲載されているので、どの問題も全く手が付けられないということはないと思います。
普段の講義における、レポートや問の参照にも使えます。

今販売されているのはこの4冊だけなので、確率統計や関数論など、網羅されていない分野もありますが、
大学での数学学習における基礎を固めるという意味では、有用な本ではないでしょうか。
証明などが載っていない定理や公式などを自分で考えたりするのもいい勉強になりますし、
なによりストレスレスな問題集を使うことはその分野を勉強するモチベーションにつながります。

ということで、この記事をよんで興味をもった方は、ぜひ「新版 演習数学ライブラリ」シリーズを手にとってみてください!!

作成者:SLAサポート室