東北大生のための「学びのヒント」をSLAがお届けします。
理解が深まったり、学びがもっと面白くなる、そんな情報を発信していきます。

水素原子の軌道のイメージ~数式から描いてみよう
水素原子の軌道のイメージがつかない…。そう感じた人は、数式と軌道のつながりを考えてみよう!
水素原子の波動関数は、ルジャンドル陪関数と球面調和関数
の積で表されます。
(1)
(この式の導出は結構難しいため,ここでは示しません。興味のある人は、厚めの量子力学の本を探してみよう。)
授業ではここから、 軌道,
軌道の話に移っていきます。式(1)と軌道は密接なつながりがあるのですが、授業ではあまり取り扱わないと思うので、ここで詳しく見ていこう。
今回は、 軌道の外形と式(1)との関係を見ていきます。
外形を知るのに重要なのは、式(1)の中でもです。
は,
,
の値によって、
(2)
となります。
今回使うのはこの3つ。3つともが入ってないから、
のグラフを考えて、z軸でぐるっと回せば
の形が分かります。
まず、一番簡単なを考えよう。いつでも、
だから、グラフは図のような半径
の半円になります。これをz軸で回転させると、球形の軌道が得られます。これが
軌道です。

次に,を考えてみよう。
(3)
となるから、図のようなグラフが得られます。原点からの距離がとなるようにグラフを描いています。
で
になることと、
で符号が逆になることに注意。これをz軸で回すと、
軌道が得られます。
軌道を書くとき+、-を付けたり、色を変えたりするけど、それは回す前の符号が逆だからです。

最後に、を考えてみよう。
(4)
となるので、グラフは図のようになります。これを回転させると、軌道になります。
