東北大生のための「学びのヒント」をSLAがお届けします。
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ガウス積分
物理や化学の計算をやっていると、時たま次のような積分たちにお目にかかります。
(1)
これらの積分は、ガウス積分と呼ばれるものです。この積分計算を実行するには、ちょっとした工夫が必要です。ここではこの計算方法について説明します。
まず、次の積分からやってみましょう。
(2)
この積分はその2乗を計算することで求めることが出来ます。すなわち
(3)
とおき
(4)
ここで、定積分の時の積分変数は自由に取れるので、2乗のうちの一つの積分の積分変数を から
に変えました。
(5)
ここで2重積分を 直交座標系から
極座標に変数変換しました。この極座標での積分は簡単にできて
(6)
これからすなわち
(7)
であることが分かります。
さて、それではもう一つの積分はどうでしょうか。
こちらは実は今求めた式(7)を利用すれば簡単に求めることができます。というのは、式(7)を今まで定数と思っていた文字 について微分してみればいいのです。
(8)
つまり
(9)
であることが分かります。お気づきのように、この で微分するという方法を繰り返し用いることによって、
の積分はすべて求めることができます。これは皆さんでやってみてください。
一応結果だけ書いておくと
(10)
となると思います(最終行ではガンマ関数 を使っています)。