2016年7月12日
第4回アカスキ・セミナー「レポートの構成〜『はじめに』からレポートを始めましょう~」
みなさん、こんにちは。
今回は、5月30日に行われた第4回アカデミックスキル入門セミナー
「レポートの構成~『はじめに』からレポートを始めましょう~」について、ご紹介します。
まず、レポートとは何かについて、確認しましょう。
大学の授業のレポートとは、
・担当教員(読者)に、
・その授業に対する理解や調べたこと・考えたこと(内容)を
・文章で報告する・伝える(方法)
ものです。
今回は、このレポートの「構成」について紹介していきます。
レポートの構成
レポートは主に「序論」、「本論」、「結論」及び「注釈」・「参考文献」等によって構成されます。
「序論」とは、この文章で何をやりたいのかを読者に伝える部分、
すなわち自分の立場、手法、疑問等を提示する部分です。
文章の中に最初の部分に位置する部分で、
「序論」と表記するほかに、「はじめに」・「(一)」・「緒言」・「序言」等とも表記できます。
今回のセミナーでは、この序論を特に取り上げています。
「本論」とは、自分の伝えたいことを順序立てて説明する部分です。
本論は内容によって書き方もいろいろあり、特に決まりはありません。
しかし、注意することが2点あります。
1、内容ごとに「節」を分けて見出しをつける。
例えば、「1、〇〇について」「2、△△に関する議論」「3、□□をめぐって」などの
見出しが実際の文章によく見られる例です。
2、一つのパラグラフでは一つの事のみ書く/一つの事を一つのパラグラフに分ける。
この部分は、第6回のアカスキセミナーで詳しく紹介しています。
「結論」とは自分の伝えたいことをまとめる部分です。
「結論」と表記するほか、「おわりに」「まとめ」等とも表記できます。
「注釈」・「参考文献」等とは、文章に補足する情報を載せる部分です。
特に参考文献は大切で、文章を書く際に引用・参考にした他人の文章やデータ等を、
必ず文章の最後で参考文献として明示する必要があります。
なお、授業や担当教員の指示によって、注釈は、参考文献とは分けて、
各ページの下に付ける場合もあります。
以上、レポートの構成について簡単に紹介しました。
卒業論文や研究論文も、基本的には同じ構成で書くことができます。
「はじめに」について
次に、主に文章の最初に書く部分、いわゆる「序論」や「はじめに」について紹介します。
なお、ここで紹介する「はじめに」の書き方は主に「テーマ型レポート」
(与えられた・自分で設定したテーマを調査し、自分の意見を述べるもの)での書き方です。
「ミニットペーパー型レポート」(授業の感想を書くもの)や「まとめ型レポート」
(授業で理解した内容をまとめるもの)ではまた他の書き方がありますので、
気になる人はSLAに聞いてくださいね。
なぜ「はじめに」を書く必要があるのでしょうか?
簡単に言うと、次のようになります。
・自分の思考を論理的に整理する。
・読者に自分の立場、疑問、手法、目的など本論の概要を伝える。
それにより、読み手は本論の内容を予測しながら読むことができる。
・自分の文章の価値を読者にアピールできる。
「はじめに」を書くのは、自分の思考の迷路(本論)にいる自分と、
そこに入ろうとする読者に、地図を与えるようなものです。
では、「はじめに」には具体的には何を書けば良いのでしょうか。
「はじめに」の要素は次の5点です。
1) この文章が取り扱う主題・テーマは何か
2) その主題に関して、今までにわかっていること
(今までの研究者の見方・結論。レポートの場合、一般的にはどう言われているか等。)
3) 2に対して、この文章がどんな疑問を感じたのか
4) 3で示した疑問を解決するために、この文章がどういう仮説をたて、どのような手法で検討していくのか
5) この文章の目的は何か
セミナーでは、実際にこの5点を例文に当てはめて文章を分析するワークをやりました。
もし文章の分析に興味がある方がいたら、SLAと一緒にワークをしてみましょう!
最後に「はじめに」をチェック
「はじめに」を書いて、本文を書いて、結論を書いて、これで終わり…ではありません!
全文を書き終わった後にやることがあります。
それは、「はじめに」をチェックすることです。
次の2点を確認しましょう。
1.「はじめに」で示した立場、手法等に、「本論」は従っているか?
→「はじめに」と「本論」との対応
2.「はじめに」で示した疑問について、「結論」でそれを解決しているか?
→「はじめに」と「結論」との対応
書いているうちに、「はじめに」と「本論」「結論」がずれてしまった…ということは
珍しくありません。しっかり確認しましょう。
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以上、第4回アカスキ・セミナー「レポートの構成〜『はじめに』からレポートを始めましょう~」の
内容を振り返りました。
これからレポートの時期ですので、これらを参考にしてがんばってください!
悩むことがあったら、SLAを活用してみてくださいね。
(SLA ライティング部会)